──もちろん瞑想はどこにいてもできることだとは思いますが、伊那谷のこの環境のなかで行う、ということもまた、大きな意味がある気がします。
池田 本当にそうですね。私自身、学生時代には毎週末、伊那谷と東京を往復する生活を送っていました。高速バスで、諏訪湖を折り返して辰野から伊那谷に入ってくると、なんだかとてもホッとしたものです。それはおそらく、ここで生まれ育ったからというだけではなくて、ここはなにかそういう力を持っている谷だと思うんです。
気候のせいもあるのか、方言も丸いし、人もまるくあたたかい。この空気や、ゆったりとした時間の流れのなかで行う瞑想・写仏体験は、より一層意味深いものになると思います。
──ご住職にとって、伊那谷の魅力とはどのようなものですか。
池田 いちばんの魅力は、変わらないことではないでしょうか。たとえビルや建物が多少変わったとしても、この伊那谷の特別な「地形」というものは、変えようがないですよね。都会に行くと、ビルが建ったり壊されたりであっという間に景色が変わってしまうことがありますが、山の景色、自然の地形は変わらない。そこもまた、ホッとする要因のひとつかなと思います。そんなこの土地の恵みを活かしながら、ここ長光寺も開かれた寺でありたい。ここで体験プログラムを行うことで地域の活性化に寄与できるならぜひ、という気持ちで、みなさまのご参加をお待ちしたいと思います。