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西川えりかさん

まつかわ旅の案内所
心をほぐす、まちのコンシェルジュ。 小さな幸せは日々の暮らしのなかに。

南信州まつかわ観光まちづくりセンタースタッフとして、まちの案内人(コンシェルジュ)をはじめ観光にまつわるさまざまな仕事に従事する西川えりかさん。東京に生まれ、まつかわへIターンした西川さんは今、暮らしながらまちの魅力を実感し、その実感を案内にも役立てていると話します。そんな西川さんに、コンシェルジュ業務への想いや、日々の暮らしについてもお聞きしました。(2020年3月)

 

インタビュー動画(3分38秒)

町の魅力を伝える、コンシェルジュの仕事

 

──現在のお仕事について教えていただけますか?

 

西川えりかさん(以下、西川) 「まつかわ旅の案内所」のコンシェルジュとして、まつかわの旅をお考えのみなさまや、旅の途中の方々にさまざまなご案内や情報のご提供を行なっています。

──窓口ではおもに、どのようなことをされているのでしょうか?

 

西川 観光に来られた方に観光地を案内したり、飲食店を紹介したり、ツアーの手配をするような業務を主にしています。くだもの狩りのシーズンは、その時期にくだもの狩りができる農家さんを調べて、見やすく表にまとめて案内をしたり、ツアーの手配をしたり忙しくなります。

 

また、この業務の担当になってすぐに、案内しやすいようにファイルの制作をしたりもしました。お客さんから飲食店を紹介してほしいと言われても具体的な提案方法がなかったので、「じゃあ、作ろう!」と、他のスタッフと協力して。案内業務の合間に行なったので大変でしたが、私自身知らなかったお店にも行って、食べて、お店に詳しくなったので、とても案内がしやすくなりました。

南信州まつかわ観光まちづくりセンター・西川えりかさん

南信州まつかわ観光まちづくりセンター・西川えりかさん

 

──案内するだけではなく、その中でいろいろと改善していったのですね。

 

西川 そうですね。ファイル作成の他に、体験レポートもつくりました。魅力的な観光スポットがたくさんあるのに、うまく発信されないのがすごく残念だと思ったんです。デザインや見た目も工夫しながら、つい読みたくなるようなレポートにしてみようと思って書きました。

レポートは実際に自分で体験し、観光客と同じ目線で書くようにしています。実は私、このまちに暮らすまでブルーベリー狩りを体験したことがなかったんです。でも、実際にやってみたら、見たことのない大きさのブルーベリーに驚いたり、今まで食べてきた味との違いに感動したり、新しい発見がたくさんありました。この経験をみんなにもしてもらいたいってすごく思いましたね。

想像以上の出会いを提供する

 

──まつかわに来られるお客さんはどのような方が多いのでしょうか?

 

西川 漠然とくだもの狩りをしたいお客さんが多いですね。まつかわは果物の種類や品種がとても多く、農園もたくさんあるのが魅力。お話を聞きながらその人に合わせた果物狩りを案内するようにしています。

さくらんぼ、ブルーベリーからはじまり、桃、梨、ぶどう、りんご……と、季節ごとに旬が移り変わっていくので、案内のしがいがありますね。

──お客さんに合わせたくだもの狩りの提案もされているのですね。

 

西川 はい。たとえば、本当は別の果物をイメージして来たお客さんにも、お話を聞いて別のくだもの狩りのほうが合いそうだと思えばあえて「こちらもおすすめですよ!」と別のくだもの狩りも提案してみたり。その結果「すごく感動しました!」と、喜んでもらえたときは、「期待以上の体験がご提供できたかな?」って。とても嬉しいんです。

西川 やはり、自分たちで情報収集してもどこかで限界があると思うんです。そういうときに、一歩踏み込んでもらえると、期待以上のものを返せる自信があります。だからこそ、旅の計画時からもっと案内所を頼っていただきたいですし、気楽に相談できる窓口でありたいです。

心をほぐす第一町人になれたら

 

──あらゆる場面で、お客さまと密にコミュニケーションを取られているのですね。案内をするときは、どのような工夫をされているのでしょうか?

 

西川 私はかしこまりすぎず、近所の人のように、親しく話すことを心がけています。初めて伊那谷に来たときに、役場の人がまるで近所の人のように話しかけてくれて「心がほぐれるな〜」と思ったんです。

その経験から私も、かしこまりすぎるような案内ではなく、「第一町人」のようなフランクさを大切にしています。その方がお客さんとも井戸端会議の延長のように話が弾むんです。そうすることで、旅のご提案も、無理やりすすめられた感もなく「行ってみるね〜!」とお互い気持ちよくいられるのかなと思っています。

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「季節を楽しむ野菜の収穫体験」リポートのひとこま。畑で採れたにんじんを手に

 

──「心をほぐす第一町人」って、素敵ですね。多くの方とふれあうぶん、いろんな質問やオーダーもありそうです。

 

西川 案内所では、意外と伊那谷全域の情報を聞かれることが多いんです。私は、伊那谷周辺のいくつかのまちで暮らし、まつかわが3ヶ所目になるので、今まで住んでいた地域の情報も役に立っています。

また品種の違いを聞かれたときなどは、以前、りんごの栽培のお手伝いをしていたときの経験も活かしてお答えしています。

「なんでもない日々」に幸せを感じて

 

──西川さんにとってのまつかわの魅力を教えていただけますか?

 

西川 果物狩りや美味しい飲食店、自然の豊かさなども魅力ですが、なんでもないただの道を走っているだけでも楽しいと思っています。私の住んでいる地域には迷路みたいな道がたくさんあって、アドベンチャー気分で楽しむことができるんです。人工的に作られたものではなく、ただそこにある素材だけで面白い!っていうことを伝えたいですね。

──日々、松川町でどのような暮らしされているのでしょう?

 

西川 忙しいです(笑)。平日は働き、休みの日は自家づくりの続きや薪づくりもしているので、決してスローライフではないですが、とても楽しいです。日々の暮らしのことをやっていたらあっという間に1日が終わっちゃいます。それも含めて、私の中ではまだまだ非日常。自分が生まれ育った都会とは真逆の暮らしを送っていて、楽しんでいます。

休日は薪割りをすることも

 

西川 このような暮らしをするようになり、なんでもない日々の暮らしの充実が人間は一番幸せなんじゃないかって、最近思うようになりました。地味だけど、じわじわと充実している方が安定的に私は幸せでいられる気がしていて。自分がしたかった幸せな暮らしはこういうことなんだなって、今すごく実感しています。

にしかわ・えりか

東京都生まれ。さまざまなご縁が重なり、現在はIターンで松川町にて、セルフビルドの家に暮らす。南信州まつかわ観光まちづくりセンター職員として窓口業務にあたるほか、地域の飲食店情報をまとめたり、宿泊施設のリブランディングに携わったりと、多方面に活躍している

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