Zine

松下武史さん

梅松苑・松下武史さん
“松茸”で地域を盛り上げる「梅松苑」。 自然豊かな里山で、疲れを癒すのんびりな旅を。

地域の人々に愛され守られてきた生田エリアの里山は、秋になると豊かな「松茸山」になります。ここ「梅松苑」では松茸採り体験からはじまり、里山をフィールドとした様々な体験が可能。プライベート感たっぷりのコテージでのんびりとした時間を過ごしたり、豊かな自然で日々の疲れを癒す時間を満喫できたり、季節ごとの思い出を作るにはもってこいの宿泊施設。今回は「梅松苑」の代表、松下武史さんにお話をお伺いしました。(2020年3月)

 

インタビュー動画(2分48秒)

ゆっくり、のーんびり。日ごろの疲れを癒す旅

 

── 梅松苑ではどのような楽しみ方ができるのでしょう?

 

松下武史さん(以下、松下) 梅松苑は20年ほど前にできた松川町の施設で、私たちの会社で2016年4月から借りて指定管理をしています。

 

ここは、家族やグループ、仲間同士で炊事をしたり、田舎暮らしを体験しながらご宿泊いただける施設になっています。古民家風の貸し別荘タイプのコテージが5棟。それから今年オープン予定の天井が透明のテントをキャンプサイトに作っています。天井がクリアなので星がとっても綺麗に見えますよ! 全国でもとても珍しいテントなんです。

ホールでは宴会ができたり、地元の人の憩いの場として使っていただいています。野外スペースではイベントもできるようになっていますよ。

一棟貸しコテージで、まつかわの味を楽しむランチの時間

 

── どのように利用される方が多いのでしょうか?

 

松下 松茸のお料理を食べに来られる方が多いですね。宿泊の方と日帰りの方と半々くらいです。宿泊の方のお食事は希望があれば提供しますが、基本は自炊型です。お客様のペースでゆっくりのんびり、日頃の疲れを取られる方が多いですね。皆さん、顔がゆるむというか、気を張っていない感じがします。「また来るね!」と最後は笑顔で帰ってくれるのがなにより嬉しいですね。

 

── こちらの施設は春から冬まで1年を通して楽しめるのでしょうか?

 

松下 そうですね。春は、桜が咲く頃がとっても綺麗ですよ。その頃は山菜採り体験もできます。夏は、野外でBBQをしたり、ニジマスの掴み取り体験、流しそうめんも人気です。秋はやっぱりきのこですね。冬は寒いけれど、とにかく星が綺麗!天体観測にはもってこいなので、冬は穴場ですよ。

地域の方たちに愛され、守られている場所。

 

── このエリアは松茸が有名とお聞きしましたが、こちらの松茸の特徴について教えてください。

 

松下 ここのはね、とにかく味覚がいい。歯ごたえもいいし、風味も良いですよ。この松茸を食べると、他のを食べられないっていうくらい本当に違うんです。僕たちはこの地域の名前にちなんで「生田松茸(いくたまつたけ)」と呼び、ブランド化をめざしています。

 

おいしさの理由は……おそらく、山の土や環境がいいんだと思います。知っていますか?松茸が安定して生え続ける環境を維持するためには、地域の方達とともに下草を刈ったり、余分な落ち葉を集めたりといった手入れが必要なんです。その手入れにも「加減」が必要で、いつも先輩たちに教えてもらっています。

地元の方に守られ続けている、手入れの行き届いた里山

 

── 地元の方の存在も大きいのですね。

 

松下 地元の方の応援は、欠かせないですね。梅松苑には応援組というのがあって、地元の方が20人くらい集まって、環境整備からなにまでボランティアでやってくださるんですよ。だからすごく助かってます。ここは、地域の方たちに守られている場所なんです。全国でもめずらしい、松茸を含めたきのこ狩り体験をしていただけるのも、そうした方達のお力あってのことです。

生田の松茸をブランド化して地域活性化を。

 

── 松下さんご自身も小さい頃からきのこ狩りをされていたのでしょうか?

 

松下 そうですね。小さい頃から父親によく山に連れて行ってもらい雑きのこを採っていましたね。この生田方面に来ることも多かったです。その影響もあってか、大人になってからもアウトドアが好きで、実はキャンプサイトを経営するのが夢だったんです。趣味が高じて今こうして管理しているのは嬉しいご縁です。まあ、大変ですけどね(笑)!

 

── この生田エリアの魅力についてお伺いできますか?

 

松下 自然が人工的ではなくありのままの自然であること、空気が美味しいこと、星がすごく綺麗なことがなにより魅力です。ここは標高が600mくらいあるので、空気もキリッとしています。ぐるっと森に囲まれているのでマイナスイオンもたくさん。とても落ち着ける場所です。

夏は流しそうめんをして楽しむことも

 

── 最後に今後、梅松苑で取り組みたいことについて教えていただけますか?

 

松下 山の中を歩いてもらい自然に触れながら、自分できのこを採ったり、そのきのこを食べられる経験ができる「森探検のプログラム」を現在構想中です。

 

それから名物の松茸を食べてもらうためにも、この松茸山をきちんと守り続けたいと思っています。僕はこの場所がすごく好きなんです。来ていただく方にも地元で採れた食材にこだわった食を堪能してもらいたいと思っています。

 

課題は、まだ生田の松茸があまり知られていないこと。美味しいけど名前がないこの「生田松茸」をブランド化したいと思っています。この松茸に新しい価値がついたら、地元の方も嬉しいですし、来てくださる方にも喜んでいただけて、その連鎖が地域の活性化に繋がったらいいなと思っています。

まつした・たけし

梅松苑の代表。趣味のアウトドア好き、きのこ好きがきっかけとなり、梅松苑の代表として生田エリアの里山をフィールドに活動している。現在は、生田松茸のブランド化や森探検プログラム作りにも奮闘中。